過去にアニメ化したおすすめの漫画、ライトノベル作品を集めてみた

今回は過去にアニメ化した作品で私がおすすめする作品をご紹介します。アニメ化した作品は大小あるにしろ、ある程度の評価を受けているためアニメされるものです。
しかし最近の作品はアニメ化といっても多すぎて何が何だかわからない状態になっています。
今回は今までに私が読んだアニメ化している作品でおもしろい、おすすめできると思った作品だけを集めてみました。特に比較的最近の作品を多く集めてみました。よかったら参考にしていただければと思います。


3月のライオン





「3月のライオン」は羽海野チカ先生が描く将棋漫画です。「ヤングアニマル」2007年第14号から現在も連載中で、2017年1月現在NHKでアニメも放送中です。
主人公は史上5人目となる中学生でプロになった棋士、桐山零(なお2016年に、現実でも史上5人目が誕生しました)。「生きるために」プロ棋士になった零でしたが、やはり17歳の男子高校生として、青春の悩みもまた、抱えているのです。

零は現在一人暮らしをしています。そのため「生活費を稼ぐ」ためにもまた、将棋の世界で勝ち続けなければならないのです。勝者の方が遥かに少ない、勝負の世界である将棋の世界において心身を削っていく零を、川本家の三姉妹が癒してくれます。

この漫画は、「将棋パート」と「川本家パート」で全く違う漫画になります。「将棋パート」は基本的に勝負の世界で、勝者と敗者がはっきりと表れます。天才棋士零とて決して常勝ではなく、零よりも遥かに強いプロ棋士達が、その中でまた勝者と敗者に分かれるのです。
4巻の獅子王戦、8巻の棋匠戦では零は対局者ではなく観察者になりますが、そのタイトル戦におけるプロ棋士同士のバトルがまあ熱い。将棋をかじった程度しかない私でも思わず興奮してしまいます。
そして「川本家パート」は、アニメ1期でアニメ化される部分までに関しては基本ギャグです。笑いと癒ししかありません。しかし5巻の終盤から、「いじめ」、「家族問題」など、川本家においても将棋の世界とはまた違った「勝負」が待ち構えています。
2つのパートの、それぞれ中身は異なる「勝負」。その世界にのめり込む事間違い無しです。





アルスラーン戦記






アルスラーン戦記は田中芳樹先生による小説が原作です。最近は荒川弘先生が漫画版の作画を担当し連載していることで話題になりました。今回は漫画版のレビューになります。

アルスラーン戦記の物語は、敵国に敗れた王太子アルスラーンが、最強の従者・ダリューンひとりを伴い王都奪還を目指す所から始まります。
本作の魅力は、何といってもアルスラーンの成長劇です。温室育ちという事もあり序盤はかなり頼りないのですが、戦力集めの旅をしていく中でひねくれ者の軍師ナルサスを始めとする個性的なキャラクターと出会い、王の器を開花させていきます。成長したアルスラーンが時に周囲の大人たちをも驚かせる手腕で部下を増やしていく過程にもワクワクさせられます。

部下になるキャラクターの一人ひとりが主人公級の個性を持っている事もポイント。
例えば1人で5万人分の兵力を持つと噂されるダリューンは、忠誠を誓うアルスラーンの為に鬼神の如き豪腕を持って敵をなぎ倒していきます。
頼もしくもあり、どこか笑えてしまう。そんな彼らの存在が良くも悪くもアルスラーンを変えてゆき、やがて物語世界の未来をも大きく左右する様になるのだから面白い。

また、「傑作大河ファンタジー」を売り文句にしているだけあって、戦のシーンも多い本作。ここで目を見張るのが漫画版の作画担当・荒川弘さんのオールマイティな画力です。人物や騎馬の勢いは迫力と臨場感に溢れており、武具がぶつかり合うシーンでは鬼気迫る描写に見入ってしまいます。静止画なのに、風をも感じさせるイラストが満載なのです。
逆に日常パートでは、キャラクターの仕草や表情だけでその内心が読み取れるほど、繊細な描写が多い。キャラクターの溢れんばかりの感情は、面白いストーリーをより濃く彩り、作品の魅力を倍増させます。





ダイヤのA





この漫画は寺嶋裕二先生による野球漫画です。田舎出身の主人公沢村栄純が、東京の野球強豪校青道高校に野球留学をする姿を描いています。
最初こそ同学年のライバルや、先輩達の気迫と高い実力を感じてしまいますが、持ち前の根性と負けず嫌いな性格でどんどん成長していきます。何度壁にぶつかってもそれを真摯に受け止め、乗り越えていく姿を見ると、自分も努力しなければいけないと感じます。

またダイヤのAの魅力として、漫画の王道である展開とそうでない展開がバランス良く書かれていることがあります。これによって他の漫画との違いを生み出しています。主人公の沢村栄純は何でもできる天才タイプでなく、不器用な努力型で、一つ非凡な才能を持っています。その才能に磨きをかけ、チームのエースの座を争っていくというのはいわゆる王道の展開です。

しかしこの漫画はそれだけではありません。普通だと、弱小チームがメンバーからそろえて、やっとチームが作れるようになり、素人同然のメンバーとともに強豪校と戦うというのが王道でしょう。ダイヤのAの場合、メンバーも多く在籍し、設備も充実しているという強豪校での野球留学の様子をリアルに描いています。このリアルさが、他の漫画とは異なる点と言えるでしょう。
このようにダイヤのAは、たくさんの魅力があり読む価値のある漫画です。是非一度読んでみてください。





ARIA






天野こずえ先生による繊細なタッチの絵と、優しいストーリーが魅力の漫画です。物語は人が住めるようになった未来の火星。その火星の観光都市「ネオヴェネツィア」に住む観光案内人見習いの「水無灯里(みずなしあかり)」が主人公です。

豊かな水に恵まれた土地、ゆったりとした時間の流れる町では優しいお話があちこちで生まれます。
おっちょこちょいながらも前向きで明るく純粋な灯里の性格と、そんな彼女を取り巻く個性豊かな登場人物が織りなす、温かみのある物語が読む人の心に染み入って、忙しさに乾いた心が潤うような思いです。

連載されている漫画だと1話見逃してしまうと続きを読むきっかけを失ってしまうこともありますが、ARIAは1話完結のお話ですので、どこから読んでも楽しめます。アニメで使われている楽曲も素晴らしく、自由でのびやかなイタリア風の音楽がたくさん流れます。
フラメンコギターやマンドリンといった弦楽器の音色が多く使われており、牧歌的なのどかさに心の緊張がほどけます。心配事が尽きず眠れない夜に手に取って欲しい漫画です。複雑なストーリーでのめり込むような心配もなく、その1話で心が整うようなお話が詰まっています。.





バジリスク~甲賀忍法帖~






原作小説は山田風太郎先生の甲賀忍法帳。漫画版はせがわまさき先生による作品です。忍者ものの作品ですが、他のそれとは一線を画す漫画です。友情や希望とは無縁の非情な忍びの世界がリアルに描かれております。

甲賀と伊賀、因縁を抱える二つの勢力が、徳川三代将軍の世継ぎ問題に決着をつけるため、忍法合戦と称した殺し合いを始めたところから始まります。双方が選りすぐりの忍を十人選びだし、最後の一人を殺すまで、戦い続けます。甲賀の弦之介と伊賀の朧は互いに愛し合っていましたが、残酷な運命が二人を敵同士に選り分けていきます・・。

この作品は特に時代の影に消えて行った者たちの儚い思いがよく描かれています。決して光の当たることのない、忍という存在。時代の権力者から捨て駒のように扱われる姿は、ある意味で弱者のようにも映ります。しかし実際彼らの戦闘能力は凄まじく、双方が個性的な忍術を使い死闘を演じております。中でも甲賀弦之介の忍術、瞳術は迫力がある。第一巻での一枚開きのシーンは漫画史に残るほどの名場面でした。

画力は、余計な物をそぎ落とした骨太のような印象を受けました。途中に実写の写真を背景などで使用しているようですが、特に違和感などは感じませんでした。この作品の見るべきポイントは、やはり忍という本来なら無個性な存在が織りなす人間模様と、緊張感を漂わせる戦闘描写にあるのではないかと思います。結末は、この作品らしい終わり方と云えます。
もし、リアルな忍者漫画を読みたいと思っているなら、一度手に取ってみては如何でしょうか?






シドニアの騎士






弐瓶勉先生の作品と言えばハードSFジャンルで初心者にはとっつきにくいマニア向けの漫画家として知られていましたが、その評価を180度覆してしまったのが、シドニアの騎士という作品です。
この漫画は2009年から2015年まで月刊アフタヌーンで連載されていた作品で、新連載が発表された当時は、またいつものハードSF物かとファンの間からは言われていたのですが、新連載が始まってみると今までの弐瓶作品とはまるで違う作風に読者は唖然となりました。

まず一番の驚きだったのが、女キャラを愛おしくて可愛らしいと感じることが出来たという点です。BLAME!やBIOMEGAなど、以前の作品ではある意味無個性で無機質な作風が魅力の作風でしたが、シドニアの騎士ではキャラクターに個性的な魅力を感じ取れることが出来たというのが大きな違いです。
確かにこういった萌えやお笑い要素を取り入れる前兆はブラム学園!シリーズでもたびたび見受けられましたが、あくまでも学園シリーズは作者のお遊びで描かれていたものなので、まさか作者の主要な作品にまでそういった要素を入れてくるとは思いませんでした。
しかし、そういった方向転換が功を成しこの作品は大ヒットして、漫画史上に残る名作になったのです。





ゆるゆり






ゆるゆりはなもり先生による日常系コミックです。「ゆり」つまり「百合」とタイトルにある通り女性同士の恋愛が描かれてはいますが、そんなものはオマケです。主成分はギャグになります。
七森中学校の「ごらく部」という非公認の部活動に所属する女子中学生4人と、それを取り巻く生徒会の女子4人らの基本残念な日常生活を描く漫画です。基本に笑いがあり、たまに百合描写ありのでも結局オチがありの日常生活が描かれています。

主人公は赤座あかりですが、巻が進むごとにどんどん存在感が薄くなっています。それもそのはず、あかりの周りの登場人物は個性が強過ぎて、どうしてもあかりは「地味」「普通」になってしまうのです。ただあかりがいないと常識人が不在になるのがまたこの漫画の悩みどころ。なのであかりは存在感は薄いですが決して要らない子ではないのです。決して。

登場人物に一切男性は登場しませんが、にも関わらず読んでいて爆笑できるのはなかなかのものだと思います。百合成分は非常に軽い(一部登場人物は重過ぎる)ので、そのあたりは気にせずに読んでいただけたら良いと思います。
なお、作者のなもり先生は異常なまでにペンが速く、2017年1月現在、単行本14巻中2冊が「1冊まるごと描き下ろし」というとんでもない事になっています。よくtwitterに各キャラの誕生日などで書下ろしの絵を公開しています。掲載雑誌を読んでいない人にも読んでいる人にもありがたい作品なのです。





月刊少女野崎くん






「月刊少女野崎くん」はアニメ化もされた4コマ漫画です。WEB上で「ガンガンONLINE」2011年8月25日更新分より連載されています。
「野崎くん」とある通りこの漫画の主人公はおそらく少女漫画家野崎梅太郎(ペンネーム夢野咲子)だと思われますが、私はヒロインの佐倉千代(通称:千代ちゃん)が主人公だと思っています。
というのもこの千代ちゃん、恋する乙女としてはあまりに変態過ぎるのです。野崎が使用したストローやゴミを収集しますし、野崎のプロフィールを「お前それをどこで調べたんだ」というレベルにまで把握しています。野崎が少女漫画家にも関わらず恋に鈍感であるため千代ちゃんの好意には気づいていませんが、早く気付かないと千代ちゃんがストーカー化しそうです。

千代ちゃんの野崎への恋心は成就するのか否か、をメインストーリーとして挙げたいところですが、残念ながらそんなことは全くありません。
この漫画は、野崎も鈍感で漫画中心の生活でどこかおかしいのですが、周りの登場人物も千代ちゃんを筆頭に皆野崎以上におかしな連中ばかりです。もう毎回話がどこに転がるか分からないので、キャラクター間の恋愛模様はそっちのけになります。
こいつらの学校生活はどうなってるんだ、と毎回つっこみたくなる4コマ漫画、「月刊少女野崎くん」。最新話はWEB上で無料で読めますし、単行本も既刊8巻が発売中です。爆笑しつつツッコミたい方は是非どうぞ。





きんいろモザイク




きんいろモザイクは原悠衣先生によるイギリスからやってきた金髪の少女と日本の少女達の交流物語です。この漫画の特徴はなんといっても登場するキャラクター達が全員かわいらしいことです。
この物語は主人公である少女「しのぶ」がイギリスにホームステイし、イギリス人の少女「アリス」と出会うところに起点します。そのアリスが高校1年生の時に、逆に日本に留学ししのぶの自宅にやってくるところから始まります。

このまじめそうなしのぶの時折飛び出すボケや、アリスや友人たちとの掛け合いが、非常に面白いです。また先生たちも登場し、物語の幅を広げております。
特に良かったの修学旅行の話です。しのぶ達が自宅から離れることはいままでなかったので、キャラクターたちの違った一面を見ることができました。時折新キャラクターも出てきて読者を飽きさせない工夫もされております。
しのぶ達も高校3年生になってしまったためこの漫画がいつまで続くのか心配なところもありますが、今後も楽しみにしております。特に小難しいことを考える必要もなく楽しめる、漫画で、アニメも2期までやっており先日映画化されました。単行本は7巻まで出版されております。






妖狐×僕SS





「妖狐×僕SS」(いぬぼくシークレットサービス)は藤原ここあ先生による漫画作品です。「月刊ガンガンJOKER」の創刊号(2009年5月号)から2014年3月号まで連載されていました。なお、作者の藤原ここあ先生は2015年3月31日に夭折されています。私は非常にショックでした。

この漫画の主人公は白鬼院凜々蝶(しらきいんりりちよ)という可愛い(しかし毒舌な)少女です。理由あって実家を離れ、一人暮らしをする事にした凛々蝶は、街の郊外にある「メゾン・ド・章樫(あやかし)」というマンションに住む事になります。メゾン・ド・章樫、通称「妖館」(あやかしかん)は表向きは高級マンションですが、実は「先祖返り」という、先祖の妖怪の血を濃く受け継いだ者達が住まうマンションだったのです。

この漫画は全3章構成になっていて、第1章「prologue」の途中までが2012年1月にアニメ化されました。アニメ化された部分までを見るとなんだか平和な作品なのですが、実はアニメ化されていない部分は、ものすごくシリアスです。
第1章「prologue」の終盤で、とあるキャラが壮絶な死を遂げます。そこから物語は第2章「if」、第3章「春に目覚める」と続いていき、凛々蝶達「先祖返り」の運命やいかに、という、1巻1巻がハラハラドキドキする作品です。全11巻と長過ぎず短すぎない作品なので、一度読んでみてください。





ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか






この作品は大森藤ノ先生による初のライトノベルで昨年にはテレビアニメ化されており、外伝シリーズも人気を博しています。
元々は小説投稿サイトに投稿されていた作品ですが、GA文庫大賞で大賞を受賞してから投稿されたものは削除されました。この物語は巨大で底が知れず、そして魔物を生み出すダンジョンを中心に繁栄している迷宮都市オラリオを舞台にされており、そこでは冒険者は人の姿をして都市に溶け込んでいる神々の内の1柱を選んで契約して超常的な力を得てダンジョンに潜入します。
その神を中心とした冒険者のコミュニティであるファミリアがそれぞれ冒険者を育て、ダンジョンを探索して富と名誉を得ていくのですが、主人公であるベル・クラネルは若く取り柄がないため受け入れてくれるファミリアがありません。
そんな彼を受け入れてくれたのは団員を持たない女神ヘスティアで、2人でより大きなファミリアにしようと奮闘して行きます。

この作品の魅力は多様な神々や種族がゆるやかに結びつく多神教的なおおらかな雰囲気とダンジョンという未知と危険に溢れた場所に挑むという厳しさのバランスです。言い換えれば母性と父性がともに冒険者を育んでいくと言いましょうか。
女神という究極の母性がありふれている舞台の作品はかなり珍しいでしょう。そしてそれと対をなすダンジョンは容赦なく冒険者を苛みます。おまけに冒険者間にはレベル差があり、レベルがひとつ違うだけで大きな実力差になり高レベル冒険者に狙われたら中々勝てるものではありません。
そういう究極の自愛と過酷さ、そしてファミリアという疑似家族の中で生み出されるベルの冒険譚にとても心動かされます。さらに、そのシステムからはいくらでも物語を生み出せるので、その点でも商業的に上手い設定にしたものだと感心させられるのでした。





涼宮ハルヒの憂鬱






涼宮ハルヒの憂鬱は谷川流先生による人気ライトノベルです。一世を風靡しアニメ化や数多くのスピンオフ作品が展開されました。
この作品は、主人公「涼宮ハルヒ」が、宇宙人「長門有希」、未来人「朝比奈みくる」、超能力者「古泉一樹」、ごく普通の一般人「キョン」を振り回して、いつの間にか世界まで振り回しちゃう。という物語です。
涼宮ハルヒには、無自覚で世界を想像も出来ないような事にしちゃうすごい能力を持っています。
例えば、時間を延々とループさせたり、自分の思い通りにならないと、地球を滅ぼすレベルの思考が現実になったりします。

ハルヒは、最初にこう言いました。「宇宙人、未来人、異世界人、超能力者がいたら、私のところに来なさい。」と。そうやって願ったら、宇宙人の長門有希、未来人の朝比奈みくる、謎の転校生で超能力者の古泉一樹が次々とハルヒの元へ来ました。
ハルヒ、有希、みくる、古泉とハルヒのクラスメイトで、ごく普通の一般人キョンで構成された「SOS団(世界を大いに盛り上げる涼宮ハルヒの団。の略)」
なぜその集団の中にただ1人、ごく普通の一般人キョンがいるのか。彼には、どういった理由でハルヒの元へいるのか。この5人は、どこまで世界を盛り上げれるか、いやどこまで世界を巻き込むのか。
この謎は、本編でお楽しみください。





境界線上のホライゾン






境界線上のホライゾンは川上稔先生による作品で、2度もアニメ化されましたがそれ以上に小説の方は秀逸です。
この作品は今よりはるか未来の地球が舞台となります。そこでは極東と呼ばれる土地以外は安全に住める場所がなく、再び天へと帰るために以前の地球上で起こった歴史を再現していました。
やがて世界の終わりを告げる末世が噂される現代で、1人の少女を巡る事件をきっかけに主人公たちの在り方や、世界は大きな変動を見せます。ですがそんな大きなうねりの中でも主人公たちはいつも通りにドタバタとアホなことをやりながら、大切なものを守るため世界を相手に行動していきます。

この作品の文章中にはチャット式の会話のやり取りが所々出てきます。私が思うこの作品の売りの1つです。コメディ要素の強い部分で読んで面白いというのもありますが、それと同時にこの会話はキャラクターの性格や思考をもろに表現しています。
歴史を絡めている作品でもあるので結構な登場人物がいます。ですが薄いキャラクターなどまったくいません。どのキャラも個性的で、強烈なアピールをしてきます。そしてそこにこのチャット式の会話のやり取りが大きく関わっているのです。

またこの作品では過去の地球上の歴史をなぞるというストーリーの縛りがあります。ですがその縛りがありながらも読者を驚かせるような予想外の出来事が展開していきます。この歴史をこんな展開に変えるのか、と感じながら読むと歴史好きの方も楽しく読めると思います。
最後に「境界線上のホライゾン」を書店で探す際は、タイトルを確認しないでも一発でわかります。なぜなら他のライトノベルの書籍とは厚さがまったく違うからです。少なくても700ページほど、多いときは1000ページを越えています。鈍器とも呼ばれてしまうくらいに。そしてそれでも飽きずに読んでしまう魅力がこの作品にはあります。





デュラララ!!






この作品は、成田良悟先生によるライトノベル作品です。
池袋の町を舞台に巻き起こる非日常的な出来事を、それに関わる様々な登場人物たちの視点から読み解いてゆく群像劇です。分割四クールでアニメが放送されたり、アニメの出演キャストによるイベントが開催されたりするなど、刊行当初から根強い人気を誇っております。

数多くの創作物に触れていると、世界観やキャラクター性、ストーリーやキャラのセリフなど、細かいところで別の作品との既視感を覚えることがあります。それはある種仕方のないことですが、この作品においては、それはないと断言できます。登場人物たちの設定や関係性が異質なため、絶対にこのキャラたちでしか成立しない物語となっているのです。

非日常に憧れる男子高校生、その身に妖刀を宿す女子高生、自らの首を探し求めるデュラハン、首の無いデュラハンを心から愛する闇医者、バイクや自販機を素手で持ち上げ投げ飛ばす取り立て屋、人間という生き物全般を平等に愛する情報屋に、ヤクザ、殺し屋、カラーギャング・・・。他にもまだまだ個性的かつ突飛な設定の登場人物たちがあふれていますが、全員に共通して、恐らくこのように設定だけを羅列しても、魅力が伝わらないどころか意味が分からないのではないかと思います。

しかし、これだけ多種多様な登場人物たちが、それぞれの日常を生き、それぞれの考えで縦横無尽に動き回り、その結果、全ての登場人物の偶然と必然が重なった一つの物語として繋がってゆく様は圧巻の一言である。もはや伏線回収などというレベルではないでしょう。あの時のあのキャラの行動が今、このキャラの運命を変えたのか!と、クライマックスでようやく気付きます。最初から最後まで予測不能の面白さが単行本一冊分まるまる詰まっていると言っていいでしょう。読んだ人にしか分からないこの作品の魅力を、ぜひ手に取って確かめていただきたいです。






キノの旅






キノの旅は数々の名作を世に出している時雨沢恵一先生による作品です。このキノの旅では主人公であるキノが相棒である喋るバイクと一緒にいろいろな国を旅する物語です。

主人公であるキノには1つのルールがあります。
「それは同じ国には3日しか滞在しない」という事。
3日あれば、その国のおおよその背景は見えてくるし色々な国を見るにはそれ以上居たら時間がもったいないというのがその理由です。

ある国は人を陥れることしか考えてないような人間達がいる。ある国は滅ぶのを待つことしか出来ないような人間達、ある国は人の心を国民全員が読めるようになった為、人とのコミュニケーションが断絶されてしまった国など。
本当に国ごとに、価値観や大切にしているものが全く違っていて、毎巻ごとに楽しい物語を見ることが出来ています。

私が好きな話は「橋の国」という話で海を渡れるほど、水平線の彼方まで伸びる橋の話です。
物語が進むにつれて、橋の欄干に刻み込まれた歴史からキノ達は、その橋が完成された歴史を知ります。その長大な橋を作った国民が、ある手違いにより橋を構成する素材が足りないと気付きます。橋としては致命的なほど、しかしあと少しで橋が完成するほどのスペースです。
何としてでも橋を完成させる為に、国民たちはある決断をします。それは国民の「骨」を橋の材料として使うこと。
老人や子供から始まり、女性も殺害し、骨を回収し何としてでも橋を完成させるというその狂気じみてはいるが美しい価値観のもとに、その橋は完成されます。
フィクションではありますが、この狂気じみた信念というものを今でも折に触れて思い出します。
一例を紹介しましたが、キノの旅はとてもオススメできるライトノベルです。





はたらく魔王さま!






この作品は和ヶ原聡司先生によるライトノベルです。
この物語は勇者エミリアと魔王サタンがエンテ・イスラから地球の中の東京の笹塚を舞台にして、お互いに働きながら困難に立ち向かう話です。エミリアは小さいころに魔王軍によって大好きだった父親を亡くし、魔王を恨んでいます。
魔王は悪魔を含めた軍団が自分が思っているよりもそんな非道なことをしていたことに後になって気づきます。上記二人の登場人物の思いが交錯して話が展開していくので大変面白い作品です。

特に魔王に至っては、暮らす世界が変わったことによって自分の生き方も変えている点に驚きです。
本当なら悪いことをしてその負のオーラを貯めていけばすぐに元の世界に帰れることに気付くも、そうしなかったことに魔王サタンのこだわりもうかがえます。また作品を見ていくにつれ、エミリアの考え方にも変化が起きます。
魔王は倒さなければならない存在であったが、魔王サタンの立場を捨て「真奥貞夫」として生きるのなら殺すまでもないと考え始めます。つまり、魔王と勇者という相容れない存在同士がお互いを許容できるところまで行けるかどうかという点も楽しみの1つです。RPG系のゲーム好きな方ならこの作品は好きなれます。
そして、異世界ものが好きなアニメファンもライトノベルが原作のこの作品を見れば、購入しても損はない作品です。





バカとテストと召喚獣






バカとテストと召喚獣は井上堅二先生による学園ラブコメディというジャンルです。試験の点数が召喚獣の強さになるという設定で、学年最下位の学力を持つ者たちばかりが集まったFクラスが格上相手に奮闘する物語です。
基本はコメディですが、召喚獣を使った戦いは頭脳戦や心理戦の要素を兼ね備えており、一体どうやって格上相手に勝つのかワクワクしっぱなしです。
こういう弱者が強者に勝つという物語は熱い展開になることが多いので、ある意味では少年漫画の王道のような要素を持っていると私は思います。特に主人公の明久は学年一番のバカであることから観察処分者という立場を与えられています。しかし明久は観察処分者ならではの利点を武器に、格上相手であろうとも諦めることなく立ち向かっていきます。そうした姿がかっこいいのです。

さらに脇を固めるキャラも魅力的で、かつては神童と呼ばれたFクラスのリーダー的存在雄二、男と女を超越した第三の性別を獲得してしまった秀吉、保健体育の成績はAクラスに匹敵するムッツリーニこと康太など、一風変わった個性的なキャラが大勢います。
Fクラスのキャラはすべてに秀でたスキルを持つものはほとんどいませんが、一芸に秀でたキャラはわりかし多いのです。
バカテスはコミカル部分も面白いですが、真剣なバトルも少年漫画に劣らないかっこよさがあるので、コメディ好きだけでなくバトル好きにもオススメできるライトノベルです。


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